樹本佳音里さん箏リサイタルを聴く
お筝の演奏会があり、レオーネと関連深い、藤井さんのお嬢さん(中峠の海老原さん)のリサイタルを聞いてきました。
8月17日(日)午後2時半からアミュゼ柏大ホールで、我孫子市在住の樹本佳音里さん(東京藝大邦楽科卒)の
リサイタルが開かれた。 我々アンサンブル・レオーネは従来数回にわたって邦楽の舞台に男声合唱で共演した
ことがあり、そのご縁で今も親しみを感じる音楽上の友となっている。
当日は当初の昼の演奏会の予定に夜の部も増設して昼夜2回演奏になる盛況で、ご同慶に耐えない。
満員の演奏会は現代曲を揃えて、特に「石井由希子」氏(武蔵野音大卒・作曲家)と三木稔氏の2人の曲で5つの
ステージを構成し、宮城道雄の曲を1ステージ、合計6ステージから構成されていた。
14時35分に本ベルが鳴って第1ステージは「黄砂の記憶」(石井由希子)で、黄砂が空を覆って飛んでくる情景を
十七絃のバスの音の効いた、ハープのような響きと、尺八のフルートのような澄んだ音色の共演で表現した。
←第1ステージ
第2ステージは「手事」(宮城道雄)で、コンクールの課題曲にもよく取り上げられる難曲であるが、卓越した技術と
エネルギーで見事に弾きこなした。
←第2ステージ
第3ステージは「秋の曲」(三木稔)で、新しく開発された二十絃の琴の幅広い音域で曲の雰囲気を醸し出していた。
第3ステージ→
15分の休憩後、第4ステージは「希麗」(三木稔)で作曲者が可愛い幼児をあやしている暖かい雰囲気がよく出ていた。
第5ステージは「一つの花」(石井由希子)の、戦争下の苦しく・哀しい国民の生活を朗読とのコラボレーションで表現
していた。
←第5ステージ
第6ステージは合奏と独奏による「いざない」(石井由希子)で作曲者の感性が迫力を持って会場に響いた。
←第6ステージ
最後に石井由希子氏の編曲による「故郷」を会場全員で合唱して、15時35分に2時間に亘る充実したリサイタルを
終えた。 (H.Y.記)